財政部は11日、米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスが10日発表のレポートで、中華民国(台湾)のソブリン格付けを昨年と同様Aa3に据え置いたと発表した。カントリー・リスク・シーリングと、外貨建て長期債債務上限はAa3からAa2へと一段階引き上げた。
ムーディーズは、台湾経済は活気があり競争力も高いと分析、向こう5年の経済成長は力強いとの見通しを示した。また経済のファンダメンタルズが安定し、政策に柔軟性があり、対外金融も良好、対外勘定は構造的に堅固であり、台湾海峡両岸の政治的な緊張が緩和しているなどの要素から、ソブリン格付けをAa3に据え置くと説明した。
また、カントリー・リスク・シーリングと、外貨建て長期債債務上限の格付け引き上げの理由について、主に経済的な強みあり、制度的にも優れている上、イベントリスク感応度は中度との認識を示すとともに、台湾の極めて強い対外流動性ポジション(低い対外債務、潤沢な外貨準備高、力強く前向きな国際投資など)や両岸関係改善に向けた政府の取り組みを評価した。