行政院農業委員会(日本の農林水産省に相当)は、中華民国(台湾)が7日、シンガポールと「台湾・シンガポール経済パートナーシップ協定」(ASTEP)を締結したことについて、シンガポールが東南アジア諸国連合(ASEAN)や環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の重要なメンバー国であることから、台湾にとって東南アジア諸国との貿易・経済交流や地域経済統合への参加、その他の国との自由貿易協定(FTA)締結に大きな助力となると表明した。
農業委員会は、シンガポールは大多数の農産物やその加工品をゼロ関税(現在では酒類6品目のみ関税あり)としているため、台湾の農産物をシンガポールに販売するに当たり、関税の面でASTEPによる恩恵は特に大きくないと指摘した。ただ、台湾はこれを機に、シンガポールとの協力や同国市場の開拓を強化すると同時に、他の東南アジア諸国の市場開拓を進めることができると表明した。
シンガポールは台湾の農産物にとり、11番目の輸出市場であり、22番目の輸入元となっている。税関統計によると、双方の農産物貿易は2012年、シンガポールからの輸入が9,303万米ドル、輸出が9,417万米ドルで、小幅の貿易黒字となっている。