行政院農業委員会(日本の農林水産省に相当)は、綿実(めんじつ)は現在、各国で広く反芻動物の飼料として使われている原料の一つで、毒性のあるゴシポールが含まれているが、成体の反芻動物の飼料への使用は適量で、動物が中毒症状を起こしたり肉類や乳製品に大量に残留して人に危害を及ぼすようなことはないと説明した。
同委員会は、欧州連合(EU)の規定によれば、牛や羊の配合飼料中のゴシポール含有量は最大濃度500ppmとなっている。また、EUや米国の関連報告では、牛の体重100ポンド(1ポンド=454グラム)当たり、ゴシポールの許容量は1日1グラムとなっており、体重600キログラムの牛として計算すると、飼料中のゴシポール許容量は1日13.2グラムである。台湾の飼料工場で生産する配合飼料中に含まれるゴシポール濃度は100~350ppm、体重600キログラムの牛が1日に摂取するゴシポールは1~3.5グラムと、いずれも上述の500ppmあるいは13.2グラムの規定を下回っている。
同委員会は今後、人々の懸念を取り除くため、綿実の輸入検査規定を速やかに策定し、綿実の源流管理を強化、綿実と飼料の安全性を確保すると同時に、綿実や畜産品の抜き取り検査を行うと表明した。