中国大陸が23日午前10時に、東シナ海防空識別圏を発表したことに対し、国家安全会議(総統府に所属)は同日午後、中華民国政府の立場に関する声明を発表した。
声明によると、中華民国政府は、釣魚台列島(日本名:尖閣諸島)の主権は中華民国が有するとの立場は、中国大陸が東シナ海防空識別圏を発表したことでなんら変化するものではないとし、政府は引き続き釣魚台列島の主権を固く守り、漁業者の権益を保障し、操業護衛行動を継続する。
また、東シナ海の情勢については、馬英九総統が昨年8月5日、「東シナ海平和イニシアチブ」を提示し、各方面が自制して対立を強めないこと、争いは棚上げし、対話による意思疎通を放棄しないこと、そして、国際法を遵守し、平和的手段で紛争を解決することを呼びかけていると説明。政府は関係各方面が今後も平和的な対話を通じて地域の争いを解決することで、緊張の高まりを避けるよう呼びかけるとしている。
声明ではさらに、中国大陸の発表した東シナ海防空識別圏が中華民国(台湾)の防空識別圏と一部重なっていることについて、中華民国軍は「東シナ海平和イニシアチブ」の原則に則り、平和的手段で争いを解決すると共に、適切な対処で中華民国の関係空域の安全を確保するとしている。
そして最後に、政府は中国大陸が東シナ海防空識別圏を発表して以降の事態の発展に高い関心を払い、関係各方面と密接に連絡を取り合って地域の平和と安定を確保していくと強調した。