経済部(日本の経済産業省に相当)は2日、中国大陸との間で交わした台湾海峡両岸サービス貿易協議(協定)に関し、両岸のサービス業の発展の度合いは異なり、台湾のサービス業は人材やサービスの質、管理技術の面で優位性を備えていると説明した。
一方、中国大陸のサービス業の発展はやや後れを取っているが、急速な経済成長と消費力の伸びに伴い、巨大な市場に成長することが見込まれる。同部は、同協議を通じ、台湾のブランドは中国大陸市場で事業展開することで、知名度を確立するとともに事業規模を拡大し、あらためて国際市場に進出すれば、さらなる成功が見込めると表明した。
同部はまた、台湾は2009年から、中国大陸資本に対し、台湾での投資事業を開放しているが、この4年余で台湾の産業への衝撃は特になく、これは台湾サービス業市場の規模が小さく飽和に近付いていることが背景にあると同時に、中国大陸の内需市場が勢いよく成長していることに加え、政府による中国大陸資本に対する審査および管理メカニズムがあることが要因であるとの見方を同部は示した。
さらに、中華経済研究院の予測によると、同協議がすべて発効した場合、台湾から中国大陸へのサービス輸出額は約37.2%(4億200万米ドル)の成長が見込まれるのに対し、中国大陸からのサービス輸入額の増加は約9.08%(9,200万米ドル)にとどまり、同部はこの予測からも、同協議は台湾のサービス業にとって輸出成長のチャンスであり、サービス輸入によって受ける影響は限定的であると説明した。
両岸サービス貿易協議は、「自然人の移動」に関し、世界貿易機関(WTO)の関連規定を採用している。つまり協議の内容は、各自が採る就業市場や永住権、公民権の制限といった措置について、相手方からの影響を受けないことを意味し、中国大陸の労働者や移民の受け入れは開放していない。
また、中国大陸資本による投資開放に伴い来台する投資家や経営者、専門家といったホワイトカラー人材は、投資金額や経営規模、個人的な資格条件などが設けられるだけでなく、人数の上限も定められ、かつ審査による認可が必要となっており、投資事業の終了で速やかに台湾を離れなければならないこととなっている。
同部はさらに、中国大陸企業(製造業およびサービス業)が台湾で雇用する従業員数は、今年5月末時点で7,007人に達し、中国大陸資本による台湾投資が、台湾での就業機会創出が確実に見込まれることを示していると説明した。