国家実験研究院が、起動速度が最も短い、宇宙で使用するGPS(Global Positioning System)ナビゲート受信機を開発した。すでに全ての検証テストを終えており、2018年に打ち上げ予定の気象観測衛星・福爾摩沙7号(FORMOSAT-7)に搭載されて任務に当たることになる。
衛星が地球を周回する際に地上からの制御を受けられる時間は12分間で、それを超えると二周目にならなければ地上は衛星の状況を把握できない。このほど国家実験研究院宇宙センターが開発したGPS受信機は1分半で起動可能で、衛星がフリーズしても再起動から正常な状態回復まで10分半しかかからない。このため、最短時間で制御を回復でき、衛星の安全確保が可能になるという。
このGPS受信機では汎用型の半導体を採用、全てのソフトウェアフレームワークと組み合わせていることから、使用する半導体の数が少なく低コストを実現。また、重量と消費電力も従来のものより50%以上低減。さらに、ソフトウェアフレームワークが主であることから、機能の変更に40日間しかかからず、拡張性も制限を受けない。