馬英九総統は29日夜、記者会見を開き、「台湾海峡両岸サービス貿易協議」に反対する学生グループによる四つの要求に対して回答した。(中央社)
馬英九総統は29日夜、記者会見を開き、「台湾海峡両岸サービス貿易協議(協定)」に反対する学生グループによる四つの要求に対して回答した。馬総統は、政治的な要求は全て、法治を基礎とする必要があるとした上で、30日に大規模な抗議デモを計画する学生グループのリーダーに対し、平和的かつ理性的な方式で意見を表明するよう呼びかけた。
馬総統は学生グループから出されていた四項目の要求に対して回答、「両岸協議(協定)監督メカニズムの法制化」については、法制化支持を約束すると共に、立法院(国会)の今会期中に法制化が終えられるよう望む態度を示した。
馬総統は、まだ調印していない協議、もしくは調印後立法院に送られていない協議はすべて、今後この監督メカニズムによってより行き届いた監督が受けられるようになるとする一方で、調印済みかつすでに立法院での審議に送られている協議については、監督メカニズムによる監督を受けることと、立法院での審議を同時に進めることで、再び立法院の各委員会への報告や公聴会開催に逆戻りすることは避ける考えを示した。
馬総統は、立法院の与党・国民党党団(議員団)は今年2月19日に、四つの段階における監督メカニズムを提示していると指摘、同メカニズムは両岸間の協議(協定)が立法院に送られる前に人々が監督できる標準的な作業手続きで、議題の形成段階、業務的意思疎通の段階、協議調印前、調印後の四つの段階で監督が可能だと述べた。行政院(内閣)大陸委員会がすでに具体的な法制化措置をまとめており、来週発表するという。
「両岸協議監督条例を先に制定し、それからサービス貿易協議を審議するように」との要求について、馬総統は、「同協議はすでに争いが始まる前の段階、すなわち立法院における条文ごとの審議と表決に戻っており、これは昨年与野党間の話し合いで得られた結論だ」と説明、総統府は国会の自主性原則の下、立法手続きとその進度を尊重すると述べた。
「公民憲政会議の開催」について、馬総統は、行政院に検討を命じており、社会各界の意見をまとめ、検討の結論を出来る限り早く伝えると述べた。
そして、「同協議撤回」の要求について馬総統は、昨年6月の調印後、同協議はすでに国会での審査段階に入っているとして、立法院における条文ごとの審査と表決は支持する立場を示しながらも、行政院による同協議撤回には賛成しかねると述べ、その撤回が台湾にもたらす影響の大きさを指摘した。
馬総統は、同協議は、「両岸経済協力枠組み協議(協定)」(ECFA)の一部で、ECFAはまた、世界貿易機関(WTO)の下に位置する二者間貿易協定だと説明、同協議が立法院で批准されなければ、台湾の国際的な信用と貿易自由化に向けた努力が著しく損なわれ、さらには台湾のTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)ならびにRCEP(東アジア地域包括的経済連携)に参加する機会にも必ず影響すると強調した。