2024/12/27

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ワトソン・クリック型塩基対パターン迂回の謎、中研院が解明

2014/04/01
中央研究院生物化学研究所の研究チームは、アフリカ豚コレラウイルスがDNAポリメラーゼ(Pol X)によってどのようにワトソン・クリック型塩基対のパターンを迂回するかのメカニズムを発見した。(中央研究院生物化学研究所サイトより)

中央研究院(中研院)生物化学研究所の蔡明道所長(院士)率いる研究チームは先ごろ、アフリカ豚コレラウイルス(アスファウイルス科)がデオキシリボ核酸(DNA)ポリメラーゼ(Pol X)によってどのようにワトソン・クリック型塩基対のパターンを迂回(うかい)するかのメカニズムを発見した。研究成果は今年3月11日付で世界的な学術誌「米国化学会誌(Journal of the American Chemical Society、JACS)」に発表された。

DNAは、遺伝子による遺伝の基本物質であり、正確なDNAの複製は生物体が遺伝物質を受け継ぐ本質である。DNAはA、T、G、Cの4つの塩基から成り、この塩基のペアリングは、よく知られているワトソン・クリック型塩基対のパターンを忠実に守って行われる。しかし、過去10年近くで、DNA複製を担うDNAポリメラーゼの多くが、ワトソン・クリック型塩基対のパターンに従うわけではないことが発見されている。

蔡所長によると、実験室では長期にわたってアフリカ豚コレラウイルスのDNAポリメラーゼ(Pol X)を研究し、10数年前にこれがワトソン・クリック型塩基対のパターンに従いDNAを修復することを突き止め、非ワトソン・クリック型のdG:dGTPの突然変異型塩基対を促すことも発見した。

研究の詳しい内容はhttp://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/ja4102375(JACSウェブサイト、英語)で公開されている。アメリカ生化学・分子生物学会(ASBMB)の広報誌「ASBMB TODAY」でもこの発見を報道している(http://wildtypes.asbmb.org/2014/03/20/how-a-polymerase-bypasses-the-rules-of-watson-crick-base-pairing/、英語)。

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