工業技術研究院(ITRI)は10日、新たに開発したヘルスケア用途のモバイルデバイス7点を発表した。発表されたのは、台湾に約140万人いる糖尿病患者のための外傷をケアする負圧創傷ケア用ウェアラブルデバイス、ぜんそく小児向けのぜんそく症状測定器、乳幼児の生体情報計測用のBaby Careと成人向け生体情報計測リストバンド、安心マットレスなどで、総合的なモバイル生体情報計測を通じヘルスケアを目指すもの。
ITRI産業経済趨勢研究センター(IEK)によると、BCCリサーチが今年2月発表した研究結果では、世界のウェアラブルコンピュータについて、ヘルスケア分野の応用製品市場の売上高は昨年、8億6,000万米ドルに達し、2018年までに30億米ドルに成長し、2013~2018年の年平均成長率(CAGR)は28.1%との見通しだ。特に、アジア地域での伸びは欧米を上回り、同期間の年平均成長率は33.9%と見込まれている。
ITRIのモバイルヘルスデバイスの用途は、糖尿病患者の外傷ケア、小児ケア、生体情報計測の3分野に大別される。糖尿病患者向けの負圧創傷ケアウェアラブルデバイスは、真空ポンプの原理と生物的適合性多孔質材料を利用し、清潔な治療環境を保ち、傷口を2~3週間で速やかに癒合させることができる。
小児ケアのぜんそく症状測定器は、世界初のぜんそく症状を検知できるウェアラブルデバイスで、長庚記念医院で第2期治験を行っている。ミニマイク技術と軟質材料の共鳴と膜振動技術を通じ、ぜんそくの発作かどうかを判断し、直ちに緊急ケアメカニズムを起動することができる。
生体情報計測はナノ秒パルス近距離感知(Nanosecond Pulse Near-Field Sencing)技術を発展させたもので、リアルタイム、非接触式、長時間、連続計測可能なリストバンドや、人体の心拍と呼吸の状態が観測でき、自動車の運転席のシートベルトに疲労度計測および警報装置としても装着することができる。