国立故宮博物院が出品した映像作品5本が、第47回ヒューストン国際映画祭で、グランプリにあたるプラチナ賞2本、金賞2本、銀賞1本をそれぞれ受賞した。
児童部門のプラチナ賞を受賞した「国宝娃娃歴険記」は、国宝娃娃(白磁の赤ちゃん)たちが集字号大同安梭船に乗って清朝時代の台湾へトリップし、離島の澎湖県、台南の安平古堡、嘉義県の阿里山、南投県の日月潭などを巡り台湾独特の風土・文化や生態系を紹介している。
また、ニューメディア部門のプラチナ賞を受賞した「乾隆潮新媒体芸術展」は、「人は誰でも乾隆だ」という概念をもとに、清王朝の最盛期を創出した第6代皇帝の乾隆帝の芸術センスから始まり、現代の人体の動態感知システムを利用した画像から人間の顔を立体的に識別するなどの技術から、20世紀末の情報ネットワーク時代に「誰もが閲覧できる」、「誰もが解釈する権利をもっている」、「誰もがクリエーター」などの含意を伝える作品だ。
ドキュメンタリー作品「再現同安船」は、海洋学部門の金賞を受賞、同博物院所蔵の「集字号大同安梭船図」と清朝時代の史料を中心に、19世紀東アジアの海洋文明の繁栄と同安船の歴史を壮大なスケールで再現した。
同博物院所蔵の名画をテーマにしたアニメーション作品「デジタル版百駿図」が芸術文化部門の金賞、「文徵明仿趙伯驌後赤壁図」が銀賞をそれぞれ受賞した。
ヒューストン国際映画祭(World Fest-Houston International Film & Video Festival)は、サンフランシスコ国際映画祭、ニューヨーク国際映画祭と並ぶ米国三大映画祭の一つ。