行政院(内閣)農業委員会によると、生のパイナップルの輸出は年々成長しており、昨年は中国大陸や日本を中心に4890トンが輸出された。今年第1四半期(1月から3月まで)に輸出されたのは1887トンで、前年同期の477トンから296%増えた。
台湾産パイナップルは香りが強く、味も良い。94%が生で食べられている。2013年の栽培面積は9796ヘクタール。生産量は41万3101トンである。南部の屏東県、高雄市、台南市、中南部の嘉義県、中部の南投県が主要な産地。
2010年より台湾ではお菓子の「パイナップルケーキ」がヒットしており、特殊な加工に適した台湾産パイナップルへのメーカー側のニーズが高まった。契約生産面積は大幅に拡大、加工用品種の栽培面積は約600ヘクタール、全体の6%を占めるまでになったと見られている。
農業委員会では、「自由経済モデルエリア」における農業の付加価値化では、「既存の輸出市場の拡大」と「新たな輸出市場の開拓」を目指していると指摘。このため、同モデルエリアへの入居を望む事業を政府が審査する際には、現有の市場との差別化を意識し、輸出を主要目的とするなどの制限を設ける。台湾内部の農産品に取って代わるような事業は同モデルエリアに入居させないので、台湾のパイナップル産業が影響を受けることはないという。