各年金制度の財政破綻の危機に積極的に対応していくため、政府は2012年10月に年金制度改革に着手。主には積立金の安全レベルが15年以下とされた労働者保険と軍人・公務員・教職員の退職・退役補償制度について改革を実施。年金制度の「所得代替率、保険料率、給付条件、基金の運用、政府の責任」の5つの面で見直しを行い、これらの制度が直面する「財源不足、業種間格差、世代間格差」の問題を減らそうというもの。
軍人・公務員・教職員の退職・退役補償制度に対する改革の幅は労働者保険を上回る。今回の年金改革では、保険料率の引き上げと給付の減額などで、調整後、軍人・公務員・教職員に毎月支払われる退職年金は平均で10%から20%減少、一般の労働者との格差が縮まることになる。
統計資料によると、中華民国(台湾)政府の潜在的な負債は2009年には13兆7800億台湾元(約46兆5790億日本円)だったものが、2013年には17兆1300億台湾元(約57兆9050億日本円)に増加。毎年平均で8000億台湾元(約2兆7042億日本円)増えていることになる。主には各種年金制度の被保険者(あるいは加入者)の加入(勤務)年数が増えていること、及び平均寿命が延び、年金受給者と需給年数が増えていることにより、年金給付のコストが高まっていることが原因。年金改革における各種の財務健全化措置は、台湾の年金制度における潜在的な財務負担を軽減する効果がある。