衛生福利部(日本の厚生労働省に相当)の邱文達部長(厚労相に相当)は21日、スイスのジュネーブで開催中の世界保健機関(WHO)年次総会(WHA)で演説を行った。邱部長は国際的な医学誌「ランセット」に掲載された一文を引用して、「気候変動は21世紀の人類の健康に対する最大の脅威である」と各国に呼び掛けた。
邱部長は、気候変動が健康を害する要因は、感染、緊急事故、環境変化の3つであると説明。感染について、極端な気象・気候現象は災害の増加につながり、これが発展して感染性疾患の発生を招くと述べた。また緊急事故について、台湾における風害と水害は過去約10年で3倍近くに増加し、これに伴い死者や負傷者も増えていると指摘した。環境変化の面では、高温や高湿度が死亡を引き起こす最も大きな原因であると述べた。
さらに邱部長は、中華民国はWHOが気候変動に対応するため策定したさまざまな方針を支持しており、気候変動対策において国レベルの省庁を設置し、気候変動に対応するための政策綱領やアクションプラン、短期・中期・長期の計画を策定する方針であると強調した。