中国大陸と韓国とのFTAでゼロ関税となった場合に台湾のテキスタイル産業が受ける打撃は1億6000万米ドルに相当するという。(桃園県政府サイトより)
経済部(日本の経産省に相当)は17日、中国大陸と韓国のFTA(自由貿易協定)が発効、実施され、関税がゼロに引き下げられると仮定した場合、台湾のテキスタイル(紡織)産業の生産額はそれによって1億6600万米ドル減ると予想した。輸出額も1億3300万米ドル減少するという。同部は、台湾のテキスタイル産業が中国大陸・韓国FTAの打撃を受けないようにするため、中国大陸とのECFA・両岸経済協力枠組み協議(協定)における商品貿易協議の話し合いを加速する必要性を指摘した。
中国大陸は台湾のテキスタイルの最大の輸出先。台湾の税関統計によると、2013年の輸出テキスタイルのうち、中国大陸向けが21.6%を占める。米国向けは7.7%、EU欧州連合向けは5%。一方、中国大陸の税関統計によると、台湾から輸入したテキスタイル製品は31億3000万米ドルで、韓国からは26億3000万米ドル。また、中国大陸が台湾と韓国から輸入しているこれらの製品構造は似通っており、競合関係にある。経済部はこのため、中国大陸と韓国のFTAにが台湾に与える影響は、米韓FTAや、EUと韓国とのFTAによるものよりも深刻になる可能性があると警戒している。