2009年のモーラコット台風(台風8号)によってもたらされた大規模水害「八八水災」から8日で満5年を迎えた。5年をかけた長い復興の道のりにおいて、政府と民間が1,000億台湾元(約3,375億日本円)余を投じ、復興恒久住宅の建設や道路、橋梁の修復などが進められた。これまで被災者のために恒久住宅1,200戸余りが建設され、約2,000人が居住している。
中でも台湾南部、高雄市の小林村は、土石流に村ごとのみ込まれるという壊滅的な被害を受けたが、日本から復興支援にと寄贈されたヒマワリから名付けられた「日光小林」地区では2012年2月に恒久住宅が竣工、被災前の街並みを再現しながら復興した。
同地区の社会起業家、蔡松諭さんは、地元の特産、梅を活かしてビジネスチャンスにつなげる取り組みを進めている。現在、10数人の農家と契約し、地元の先住民に利益が出るような価格で梅を買い取っている。特産品の販路と利益を同時に確保し、地元ならではの特色を活かした産業を育成することで、以前のように自然の脅威にさらされることなく復興することができるとの期待がかけられている。