第14回「世界公共衛生大会(World Congress on Public Health, WCPH)」が11日から15日までインドのコルカタで行われた。同大会は公共衛生分野で最も重要な学術会議とされ、3年に一度開催される。今年は90ヶ国を超える国から1500人が参加した。
中華民国(台湾)が煙害(たばこの煙による害)防止の面で大きな成果を上げていることで、同大会は14日午前、「台湾における煙害防止の推進状況と未来の展望」をテーマにした会議を特別に開催。衛生福利部(日本の厚労省に類似)国民健康署の邱淑媞署長、慈済大学人文医学科の王英偉主任、国民健康署健康教育及び煙害防制組の馮宗蟻前組長、欧州公衆衛生学会のMartin Mckee会長ら専門家が、煙害防止の推進成果と経験を共有した。
台湾は煙害防止で卓越した成果を上げており、34ヶ国の欧州国家と比較した場合は3位に相当するという。台湾では2009年に「煙害防制法」の新規定を実施したことで、大人の喫煙率は2008年の21.9%から2014年の16.4%へと低下。喫煙人口は89万人減り、青少年の喫煙率も上昇から低下へと転じた。禁煙エリアを年々広げていることで、公共の場で副流煙にさらされる率は2008年の23.7%から2014年の7.5%へと7割前後下げることに成功している。
なお、同大会の招きに応じて邱淑媞国民健康署長は13日、中華民国の政府関係者の身分で基調講演を行なった。演題は「肥満防止による、健康と公平、環境と経済の共生の永続的発展」。台湾の人が「世界公共衛生大会」で基調講演を行なうのは初めてで、政府関係者の身分で出席したことはさらに意義深い。