大気中の微小粒子状物質(PM2.5)が健康に悪影響を及ぼすことを受け、行政院環境保護署(環保署、日本の環境省に相当)は2012年、大気中のPM2.5に関する基準を定め、大気汚染物質の監視について多数の措置を強化した。同時に特殊工業団地の開発について大気質の監視・観測を厳格化、PM2.5も対象に盛り込み、国民の健康保障を強化するべく各側面からPM2.5の監視作業に取り組んでいる。
現在、特殊工業団地として管理されているのは、六軽工業区(第六ナフサプラント、雲林県)、臨海工業区(高雄市)、林園工業区(高雄市)、台南サイエンスパーク(台南市)。林園と台南、六軽が策定した大気監視・観測施設の設置計画はすでに、地元の環境保護当局から認可され、それぞれ今年5月中旬、6月初旬、11月末から観測を始める。
観測項目はPM2.5のほか、硫黄酸化物、窒素酸化物、揮発性有機化合物(VOC)などの前駆体。将来的には蓄積した観測データについて、大気質シミュレーションモデルを通じ、汚染源の推定や、さらには汚染源の管理・監視の強化にも運用し、引き続き大気汚染対策に取り組む際の根拠とすることができる。