工業技術研究院(ITRI)はこのほど、熾烈な競争の末、EU欧州連合の研究イノベーション計画「ホライズン2020 ICT-14計画」の参加者に選定された。工業技術研究院は世界の通信大手と共同で5G(第5世代)通信技術におけるキーテクノロジーを開発していくことになる。また、経済部(日本の経産省に相当)とEUの通信ネットワーク・コンテンツ・技術総局(European Commission Directorate General for Communications Networks, Content & Technology; DG connect)による5G通信技術の共同開発は、「ホライズン2020」の次期(2016年から2017年)実行計画に加えられた。台湾と欧州の共同研究のため直接的な交流ルートを作ることで、台湾の企業が世界の5G通信市場進出で他に先んじることになる。
現在、先進諸国は、「容量の大きさ、帯域幅の大きさ、リンクの広さ、遅延の少なさ、エネルギー消費の低さ」を利点とする5G通信技術の開発と国際基準の制定で激しく争っている。2016年、世界は5G通信技術の普及に積極的に乗り出し、関連の知的財産権の基準争いは2017年に始まるだろうと予想される。
工業技術研究院と財団法人資訊工業策進会(III、トリプルアイ)は、向こう2年から3年間、欧州の電信会社や重要な設備メーカーら研究パートナーと共に、移動ネットワーク(Moving Network)など5G通信技術における様々なキーテクノロジーの共同開発に積極的に取り組む。
また、行政院(内閣)科技会報と科技部(日本の省レベルに相当)による協力の下、経済部がEUと交渉を重ねた結果、台湾が「ホライズン2020」のイノベーションプラットフォームにおける次期(2016~2017年)作業計画に加えられることで合意。台湾とEUは、5G通信技術の実質的な研究開発で協力することになり、これは双方による5G通信技術に関する提携での重要なマイルストーンになると見られている。