台湾北部、新北市では、清の嘉慶年間に、人々が荷物を背負って物資を運ぶための古道が数多く整備され、これら全体で淡蘭古道を形成していた。この古道は現在では3~4本しか残っておらず、多くが荒れた草むらの中に埋もれてしまっている。新北市は3年間をかけ、現存する古道を延伸するとともに、その他埋もれてしまった古道を整備し、台湾北部の開墾史を再現する計画だ。
同市観光旅遊局によると、淡蘭古道は清代には淡水庁から噶瑪蘭庁までを結ぶ主要な路線であり、現代の地理に照らし合わせると、北部の台北市の万華から松山、新北市の汐止、暖暖、瑞芳、貢寮を通り、北東部の宜蘭県の大里、頭城まで続き、各地の公道や民間の古道に連絡し、約100キロメートルにも及ぶ交通網を形成していた。
鉄道や自動車道が発展するに伴い、淡蘭古道は現在では草嶺古道、三貂嶺古道、隆嶺古道、石碇区間といった3~4本しか残っておらず、ほかの古道は多くが山林に埋もれてしまっている。