台湾東部、花蓮県秀林郷の海抜1,000メートル近くの山中に位置する、先住民、タロコ族の大同集落(タロコ語でSkadang)は、36年前に村ごと平野部に移転した。しかし20世帯近くの人々はふるさとを離れ難く、電気の通らない旧集落に留まり続けた。このほどついに地元のタロコ族の人々と台湾南部、台南市の台南社区大学(コミュニティカレッジ)が「暗闇の集落に光をともそう」という運動を発起、文明に取り残された集落に光を届けるべく、20日に太陽光発電装置を背負い山に入った。
台湾電力公司花蓮区営業処の蔡欽堂処長によると、電気を通すため集落や郷公所(村役場)などと協調したことがあったが、現地に通る道がないことから施工ができない状態となっている。
台南社区大学の林元笠講師によると、同大学で22万台湾元(約83万6,500日本円)を集め、太陽光発電装置を購入した。まず各世帯に基本的な照明設備を取り付け、集落の人々がこれに慣れたなら、あらためて再生エネルギー発電などの装置を取り付け、「電力会社から供給を受けない完全自家発電」を実現したいとしている。