交通部(日本の国土交通省に類似)台湾鉄道(台鉄)管理局は、保有する豊かな鉄道文化遺産を生かし、鉄道文化保存計画に取り組んでいる。このほど、台湾北西部、苗栗市の苗栗駅の鉄道博物館計画を皮切りに、台中駅(中部・台中市)と20号倉庫、彰化駅(中部・彰化市)の扇形車庫、南部の高雄打狗故事館、東部の花蓮鉄道文化園区や台東鉄道芸術村などの計画に相次いで着手する。
苗栗駅の鉄道博物館計画は、同駅そばにおいて文化教育施設の公共建築物として博物館を建設する。BOT(建設・運営・譲渡)、ROT(改修・運営・譲渡)、OT(運営・譲渡)といった3つのモデルで投資、建設、開発、運営に向け民間資金を呼び込み、民間事業者が鉄道車両展示場や給炭場、手動転車台、旧宿舎、旧駅舎といった貴重な文化遺産の保存と再利用に参与することを期待する。さらに付属施設は関連法令に基づき商業用途とすることができるため、駅周辺地区の発展のきっかけとなり、政府、民間、地方の3者がともに成果を享受できると見込まれる。