世界保健機関(WHO)は、2025年にトランス脂肪酸の使用を完全に停止することを目指している。中華民国(台湾)は2008年から、食品のパッケージにトランス脂肪酸の含有量を表示するよう義務づけているが、それだけでは人工的に作られたトランス脂肪酸を人々が摂取することを防ぐことは出来ない。
WHOが各国の政策に対して行なった研究報告によれば、表示の強制や広報活動の強化では人々が人工的なトランス脂肪酸を摂取する危険性を効果的に排除出来ず、その使用を完全に停止することこそが最も有効な方法だという。
これまでの研究で、人工的に作られたトランス脂肪酸を1日に4~5グラム摂取した場合、血液中の「悪玉コレステロール」とトリアシルグリセロールが増え、血管がつまりやすくなったり、炎症を起こしやすくなったりすることが証明されている。これにより心血管疾患のリスクも23%高まるという。
そのため、衛生福利部(日本の厚労省に類似)国民健康署の邱淑媞署長は、消費者の購買意欲を高めるばかりでなく、消費者の健康を保障することにもつながるとして、食品メーカーがトランス脂肪酸を使用しないよう呼びかけている。