台湾南部では夏、毎年のようにデング熱が発生する。ウイルスを媒介する蚊の繁殖を防ぐため、屋外で水のたまった容器などを放置しないことが大切。(中央社)
台湾南部で今夏、デング熱の感染例が過去最多レベルとなっていることについて、行政院(内閣)の孫立群報道官は5日、毛治国行政院長(首相)は先週の閣議において、衛生福利部(日本の厚労省に類似)を中心とした各省庁横断の形で、中央政府と地方自治体が力を合わせてデング熱の感染拡大を押さえ込み、国民の健康を守るよう命じたと明らかにした。毛行政院長はまた、中央政府の各機関に対しても勤務地など関連施設における衛生的環境の確保に関する状況を確認するよう指示した。
孫報道官は、南部におけるデング熱の感染情況は引き続き悪化しており、他の自治体へも拡大する勢いだと指摘、このところの断続的な降雨の後、雨水のたまった容器などをすみやかにきれいにしなければデング熱ウイルスを媒介する蚊の繁殖を助長すると注意を促した。また、台風13号が台湾に接近しており、台風による雨が住宅や野外に置かれた容器にたまって蚊が繁殖することが心配される。このため行政院は、台風13号通過後、ただちに花瓶や水がめ、給水塔、冷蔵庫の水受け皿、植木鉢トレイなど、住宅内と屋外にたまった水を取り除き、デング熱を媒介する蚊の繁殖を防ぎ、感染拡大を食い止めるよう呼びかけた。