中心付近の瞬間風速が最高でレベル17(56.1~61.2メートル/秒)に達した中型の台風13号(アジア名・ソウデロア)は、強い風雨で台湾全土に大きな被害を与えた。8日午前6時59分には、台湾北部、台北市のランドマーク、台北101ビルの免震ダンパーが強風のため100センチメートル移動し、過去最大の揺れを記録した。
同ビルの劉家豪広報担当責任者によると、このダンパーのこれまでの最大移動距離は、2013年の台風7号(アジア名・ソーリック)の際のプラスマイナス70センチメートル。ただ、今回の台風13号ではこれまでの左右の揺れとは異なり、午前5時25分ごろから監視システムが旋回するような揺れを観測、6時59分には揺れの幅が100センチメートルと過去最長を記録した。
台北101ビルの展望台階下、88階ではダンパーを一般公開している。直径5.5メートル、重さ660トンのダンパーは世界で最大、重量も最も重いダンパーとなっている。同ビルの92階から87階の高さに吊り下げられたダンパーは、12.5センチメートルの鋼板を41層もの厚さに重ねて溶接したもので、ビルの防風と免震の重要な構造の一つとして、ビルの揺れを最大40%抑えることができる。最大揺れ幅はプラスマイナス150センチメートル。