「裁判では敗れたが、私の心は負けない!」 2005年3月、日本の最高裁判所は台湾の元慰安婦による訴訟での敗訴を確定した。小桃おばあさんは大きな声で、「私たちは目撃者だ!」と叫んだ。彼女が求めていたのは賠償金ではなく、謝罪だった。
馬英九総統と、台湾の元慰安婦の姿を伝えるドキュメンタリー映画、『蘆葦之歌』の呉秀菁監督は16日、かつて日本の総督府だった総統府で対談。慰安婦問題についての歴史を見つめなおす新たな契機を生み出すと共に、元慰安婦たちが正義を勝ち取ろうと立ち上がった血と涙の道のりに光を当てた。「傷んだ葦を折ることも、くすぶる灯心を消すこともしない。」(新約聖書 マタイによる福音書12章20節)元慰安婦たちは一人、また一人と亡くなっていくが、彼女たちの運命に屈しない精神は、正義を追求する路を明るく照らしたのである。
長期にわたって関連の研究に携わる、中華民国(台湾)の最高学術研究機関・中央研究院の歴史研究員、朱徳蘭氏はかつて報道陣に対し、「慰安婦は強制されていない」とする見方は東アジアの歴史観から外れたもので、被害を受けた国はすべて日本に謝罪と賠償を求めていると述べた。朱氏はそして、台湾においても、これら立場の弱い女性たちに差別待遇があってはならないとし、元慰安婦たちの痛みやつらさについて理解しようとも、知ろうともしなければ、「それは傷口に塩を塗ることだ」と訴えた。