2024/12/26

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経済

台湾における山の形成めぐる議論、40年ぶりにピリオド

2015/08/20
台湾大学と中央研究院の研究チームは3年をかけ、台湾の地殻の上層と下層がいずれも台湾の造山運動(山の形成)に関与していることを突き止めた。(中央社)

国立台湾大学と中華民国の最高学術研究機関、中央研究院の研究チームは3年をかけ、台湾の地殻の上層と下層がいずれも500万年におよぶ造山運動(山の形成)に関与していることを突き止め、学界における40年来の論争が解決をみた。この研究成果は国際的にも注目され、論文「Layered deformation in the Taiwan orogen(台湾の造山帯における分層変形)」は14日発行された国際学術誌「サイエンス」に掲載された。

台湾はユーラシアプレートとフィリピン海プレートが交わる場所に位置し、高低が複雑な地形となっている。ただ、プレートの衝突がいかにして台湾の山脈を隆起させたかについて、過去40年間にわたり主に2つの学派に分かれた論争が続いていた。片方は「薄皮理論」としてプレートの上層が造山運動に関与したとの見方で、もう片方は「厚皮理論」としてプレートの全体が造山運動に関与しているという見方だった。

この論文の第一著者である台湾大学地質科学研究所の博士課程の学生、黄梓殷さんによると、これまでの議論だけでは観察が不十分で、自然現象を部分的に解明したに過ぎなかったが、双方の主張を組み合わせることではじめて台湾における造山運動を説明することができるという。

台湾大学の地質科学学科と海洋研究所、中央研究院地球科学研究所が結成した研究チームは3年をかけ、これまでの地震ノイズを研究する地震学の研究方法とは異なり、論争となっていた双方の理論の中から新たな思考の筋道を模索し、長期にわたる論争を解決した。

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