李登輝元総統がこのほど、日本の月刊誌、「Voice」に掲載された文章の中で、馬英九総統が抗日戦争勝利を記念する目的は「日本に対する嫌がらせで、中共の歓心を買おうとしているため」と発言していることに対し、総統府の陳以信報道官は20日、強く反論した。陳報道官は、政府が一連の活動を行う目的は、「戦争の残酷さと平和の尊さ」を改めて指摘することにあると主張、侵略の過ちは許すことができるかもしれないが、歴史の真相を忘れてはならないと強調した。
また、李元総統が、「92年コンセンサス(合意)は偽造の産物」と批判したことについて陳報道官は反証を提示、1992年8月1日に李登輝総統(当時)が開いた「国家統一委員会」全体会議で、「一つの中国の意味について」を承認していると指摘した。陳報道官は、簡単に言えば「92年コンセンサス」の内容(一つの中国の解釈は各自が表明する)は当時の李総統の裁定を根拠に決められたものだとしている。
さらに、李登輝元総統が今回の文章で、20年前には、馬総統が元慰安婦を助けていると聞いたことが無かったとしていることについて、陳報道官は実例を挙げて反論、元慰安婦たちに対する馬総統の支援は20年来途絶えたことがなく、馬総統が中心となって行ったチャリティーバザーによる義援金募集や、元慰安婦たちが日本の国会に陳情するために訪日する際や国際裁判を行なう際の協力など、いずれも二言三言で消し去ることの出来ないことだと主張した。
李元総統が「台湾における慰安婦の問題はすでに決着済み」としていることについても陳報道官は強く反論。陳報道官は、日本の安倍首相が今月14日に発表した「戦後70年談話」の中で、慰安婦問題について謝罪しなかったことは国際社会で多くの批判を生んでおり、韓国のパク・クネ大統領も遺憾だとしていると指摘した。