デング熱の感染が深刻化していることを受け、台湾南部の台南市は24日午前、デング熱感染予防対策指揮センターによる記者会見を開いた。同市環境保護局の李賢衛局長は、市が散布している薬剤は蚊の成虫駆除が主な成分であり、市民もともにボウフラの発生源を根絶することこそが抜本的な解決策であると呼び掛けた。
また、同様に深刻な感染状況となっている南部の高雄市では、衛生局が獅湖公園の周辺で特に感染例が激増するとともに、同公園内で大量のヒトスジシマカ(デング熱を媒介する)やボウフラが捕獲されたため、同日午前にはこれまで例をみない公園立ち入り禁止の封鎖措置を採った。
一方、台南市衛生局の林聖哲局長は、衛生福利部(日本の厚生労働省に類似)疾病管制局の統計資料を引用し、8月18日以降、毎日のように新しい症例が100件以上報告され、感染状況は予断を許さないものだと説明した。同局ではこれまで、ヒトスジシマカが発生していた容器の摘発に対し、657件の罰金通知書を発行。市北部にある西門町観光総合のみの市や、花卉(かき)市場は臨時休業としている。
同市環境保護局の李局長は、空き家や空き地、家屋の裏の溝、建設現場などを重点的に取り締まりを行い、水路に幼虫などが発見された場合は直ちに詰まらないよう流れをよくし蚊の繁殖を防ぐと説明している。