台湾北部、新北市のテーマパークで6月末に起きた爆発火災事故で身体の表面積の90%に及ぶ重いやけどを負った米国人の青年、アレックス・ハースさんが2日、入院していた台北市の病院から退院した。2カ月にわたる治療では、集中治療室に38日間収容され、敗血症や肺水腫、創面切除、皮膚移植、稀血の輸血用血液不足などの困難を乗り越えた。ハースさんは医療関係者に感謝を述べ、負傷した一方で「想像も及ばないような治療と援助」を受けられたと声を詰まらせた。またハースさんの母親は病床で歌を歌ったり励ましたり、生きる力を与えてくれたと語った。ハースさんは3日にも米国に帰国し、今後もリハビリを続けながら休養生活を送る。
衛生福利部(日本の厚生労働省に類似)の統計によると、2日現在、爆発事故負傷者のうち188人がいまだ入院治療を受けている。うち57人は集中治療室に収容され、33人が危険な状態にある。死者の数は11人から先ごろ12人に増えたばかり。
ハースさんによれば、入院している間、母親が病床に付き添い、ハースさんの大好きな『Get Back Up』という曲をいつも歌い、肉親の情の温かさを感じるとともにこれが生きる力となったという。台湾でも健康保険に加入していたために高水準の治療が受けられたが、米国では従姉妹がハースさんのために募った基金をリハビリや治療の費用に充て、2年後にはあらためて仕事を探したいと語った。