2024/12/27

Taiwan Today

経済

新米郵便配達員の奮闘で台日の教師と教え子つなぐ

2015/09/09
戦前に台湾で教師を務めていた、日本の高木波恵さんはこのほど、台中の新人郵便局員、郭柏村さん(左から3人目)の活躍で76年ぶりに台湾の教え子との連絡が実現した。(聯合報)

戦前に台湾で教師を務めていた、日本の高木波恵さんはこのほど、76年ぶりに台湾の教え子との連絡が実現した。最も重要な役割を果たしたのは、新人の郵便配達員、郭柏村さんだった。郭さんは、高木さんが教え子たちにあてた手紙の配達を担当、あて先はすでに使われていない日本占領時代の住所だったが、あきらめずに使命を全うし、ついにあて先を突き止めた。

今年になって郵便局員になったばかりの郭さんは、2月27日にこの手紙の配達を担当した。あて先は台湾中部、台中の「烏日郷栄泉村中山路長寿巷二十四号」と記されていたが、烏日ではこれまで何度も住居表示を変更しており、該当する住所は現存しなかったため、配達するすべを失った郭さんは、同僚の陳恵沢さんに助けを求めた。

この手紙を見た陳さんは「この手紙には何かあるに違いない」と直感、簡単にはあて先不明として返送できないと考え、郭さんに戸籍記録のある地元の戸政事務所にいって調べてみるよう助言した。ただ、個人資料保護法(日本の個人情報保護法に相当)の規定により、戸政事務所から情報提供が得られなかったため、郭さんは「いちばん地道な方法」で当たってみることにした。配達の際に、高齢者を見かけるたびにあて名の「楊漢宗さん」を知らないかと聞き回った結果、2週間の努力のかいあって、ついに楊漢宗さんが以前、龍泉里(里は中華民国の最小行政単位)の里長を務めていた楊本容さんの父親だということが判明。郭さんはこの手柄について8日、なすべき仕事を成し遂げただけだと謙遜しながら語った。

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