都会でも先住民の豊年祭を――台湾北部、新北市土城区の1,000人を超える先住民が13日、土城総合体育場に集まり、豊年祭を行った。歌ったり踊ったり、先住民ならではのアワの酒を飲んだりしたほか、祖先の霊を迎えて福を祈る伝統的な儀式を執り行った。また、先住民スタイルの茅葺き小屋ややぐらを設置し、次世代の先住民が都会でもふるさとの文化を体験できるよう期待をかけた。
当日は老若男女を問わず、みなが伝統衣装を身に着け、生花や果物、ビンロウジ（ビンロウの実）といった供え物を奉納。総頭目の胡錦照さんが10数人の屈強な勇士を従え、先住民の言語で祈祷の言葉を詠じ、祖先の霊を会場に迎え、その他の人々は順番に歌と踊りで霊を慰めた。夕方には霊を見送り、簡単な豊年祭の儀式を終えた。
土城に住んで20年の勇士、拉法さんによると、伝統的な儀式は形式として残っているだけではあるが、毎年の豊年祭によって同じ先住民の人々が集まり、絆を深めることで、都会に住む先住民の青少年に、自分たちの言葉を学び、風習を体験する機会となっていると語った。