台湾北部、新北市は今年、「昂揚計画」と題し、新住民と呼ばれる海外出身の配偶者とその子どものためのサマーキャンプを初開催した。新住民である親のふるさと、タイやベトナムを訪れその文化を体験したり、企業や親戚を訪問したほか、さらにドキュメンタリーフィルムも制作。参加者に、これから東南アジアとの貿易経済の架け橋になってほしいとの願いを託す。24日にはこの子ども世代「新二代種子」らが、サマーキャンプの成果とその過程で見聞きしたことなどを発表した。
同市の小中学校には、新住民の子どもたち3万8,000人余りが通う。ただ、多くの子どもは親のふるさと、タイやベトナムといった国々とのつながりが薄い。このため同市教育局は先月、7日間のサマーキャンプを実施し、選ばれた小中学生20人がタイを訪問、同じく高校・高専の生徒24人がベトナムの現地の企業で実習した。
私立金陵女子高級中学(高校)の蔡心楡さんは、ベトナムでの実習チームに参加、実業家の体験談を聞いたり、現地で昨年発生した華人に対する抗議活動で被害を受けた工場を見学したりし、「くたくたに疲れたけれど、とても意義深かった」と語った。蔡さんは、以前は新住民という自分のルーツのために自信が持てなかったが、この旅を通じて自分の強みというものに真剣に向き合い、将来はインドネシア語をマスターして外交官になりたいと語った。
同市政府はこのサマーキャンプの様子をドキュメンタリーフィルムに収め、2つの言語、2つの文化を持つ「新二代」が東南アジアとの文化の架け橋になるよう子どもたちを勇気付けたいとしている。