内政部(日本の省レベルに相当)が開発した中華民国(台湾)の公式な電子地図、「通用版電子地図(Taiwan Electric Map, Taiwan e-Map)」が9月29日、マレーシアのクアラルンプールで行われた「ジオスマートアジア(Geo Smart Asia)2015」で、「アジア地理空間アプリ卓越賞」を受賞した。今回受賞したのは4カ国。そのうち一つとなった中華民国は地理空間技術のイノベーションと応用の面で国際社会の評価を得たことになり、今後は世界進出が期待される。
受賞した「通用版電子地図」は、台湾全域(台湾本島、離島の澎湖、金門、馬祖)をカバーする、政府機関による台湾初の電子地図。経費を節約すると同時に効率を高めるため、行政院農業委員会(日本の農水省に相当)林務局農林航空測量所の持つ空撮映像データを基礎に、関係者による実地調査も加え、4年あまり費やして2011年に完成させた。その後も画像データの更新と機能の拡充を行なっており、インターネット上で各界に無料で提供している。地理空間データの内容には、ナビゲーションに利用可能な交通ネットワーク、行政区の境界線の他、コンビニエンスストア、百貨店、ガソリンスタンドなど人々の生活に関わる施設やランドマークが含まれる。
一般に利用されている電子地図に比べて、内政部の「通用版電子地図」は測量精度と内容の違いがその優位性をいっそう高めている。また、国際的にもフレンドリーなものとし、外国人が気軽に利用できるよう、「内政部国土測絵中心(National Land Surveying and Mapping Center)」は英語版の電子地図検索システムを提供、中国語を解さない人たちの利便性にも配慮している。
内政部通用版電子地図
http://emap.nlsc.gov.tw
英語版電子地図検索システム
http://emap.nlsc.gov.tw/gis103en