中華民国(台湾)が南シナ海で生態系の保護と人道的な救助活動に取り組んでいることを世界のメディアに説明するため、行政院(内閣)の孫立群報道官は14日、外国メディアとの茶話会を開いた。行政院海岸巡防署(日本の海上保安庁に相当)の王崇儀署長は席上、馬英九総統の提唱する「南シナ海平和イニシアチブ」の精神に基づき、南沙諸島の太平島を平和と救難の島、及び低炭素の島として建設することで、領海南端の発展、海洋重視、南沙諸島の生態系の積極的な保護に向けての中華民国政府の熱心な取り組みと努力を示すと説明した。同時に中華民国が南シナ海での主権を維持するためのスマートパワーを示し、さらには南シナ海の平和と安定を促進するとしている。
米国海軍が近々、中国大陸が新たに建設している南沙海域の人工島から12カイリの区域内で自由な航行を行なうとされ、大きな話題となっている。これについて外国メディアから聞かれた王署長は、南沙諸島の太平島及び周辺海域は中華民国固有の領土であり水域だとし、海岸巡防署は一貫した立場と行動で南シナ海における中華民国の主権を守ると答えた。外交部(日本の外務省に相当)条約法律司(局)の申佩璜司長(局長)は、馬総統の「南シナ海平和イニシアチブ」の意味を重ねて説明し、各国政府が「国連憲章」及び「国連海洋法条約」など関連の国際法の原則と精神を尊重し、協議と対話を通じて、南シナ海における争いを平和的に解決するよう呼びかけた。
王署長によると、太平島を低炭素の島として発展させるため、中華民国は島に太陽光発電システムを設置、ディーゼル発電機と併用して全島に各種電力を供給している。王署長はまた、中華民国が南シナ海において、一貫して人道的な救援活動の中継点としての役割を担っていることを指摘、海難事故での捜索や救助活動の執行、台風発生時などの外国船の一時避難受け入れ、緊急医療支援など人道的な救援サービスの提供を行なっていると説明した。2000年からこれまでに太平島が行なった国際的な救助活動は11件で、12人を救助している。太平島の埠頭が完成すれば、100トン級の巡視艇の長期駐留と3000トン級の巡視船の一時寄港が可能になり、国際的な人道支援活動の執行能力が向上する。これにより、「南シナ海でのピースメーカー」及び「人道支援の提供者」などの重要な役割をこれまで以上に担っていけるようになるという。