台湾南部・台南市の新化老街(昔ながらのたたずまいの街並み)にある武徳殿(日本占領時代に台湾各地に建設された武道館)隣に並ぶ日本式集合宿舎の修復工事が、相次いで完了している。新化区は、そのうちの1戸を「大目降(台南市新化区の旧名)故事館」とした。一連のイベントを通じて地域の歴史伝承の場として、家族で楽しめるようにするねらいだ。
故事館の敷地面積は約12坪で、元々、リビング、寝室、書斎があった場所を改修した。工事終了後、新化区は市政府にこの1戸を故事館にするように要請した。新化社区大学(コミュニティカレッジ)と共同で管理、メンテナンスを担う。開幕当日の24日には、親子で楽しむ体験プログラムを開催する。今後も小・中学生が読むのに適した地元の歴史に関する書籍や絵本も徐々に導入する。
新化区の考察によると、これらの日本建築は建設から約90年がたっており、以前は郡役所の警察官(巡査)、町役場の職員の宿舎だった。文化局による修復完了後、運営をアウトソーシングとし、今後も多くの旧家屋を新たに再生する計画だ。