日本の研究者、清水美里さんが、日本の技術者が建設に尽力した台湾南部の農業用水施設、嘉南大圳(かなんたいしゅう)について研究し、このほど『帝国日本の「開発」と植民地台湾』と題した書籍にまとめ上げ出版した。清水さんは10年近くの期間をかけ、台湾と日本で史料を収集、地元の嘉南農田水利会の作業所に何度も足を運び、退職した職員やお年寄りの聞き取りなどに取り組んだ。この本は、同水利会に寄贈され、より多くの人に嘉南大圳と水利施設を利用していた昔の人々の生活の知恵を理解してほしいとしている。
この書籍は、「台湾の嘉南大圳と日月潭発電所」という副題が添えられ、嘉南大圳の建設だけでなく中部、南投県の日月潭発電所の開発についても章が割かれている。