馬英九総統は10月31日午後、台湾北部・新竹市に位置する「国家太空中心(宇宙センター)」を訪れ、地球観測衛星「福爾摩沙衛星五号(福衛五号=フォルモサット5号)」計画の推進状況を視察した。
馬総統はあいさつの中で、国家宇宙センターは1991年に創設され、中華民国(台湾)で唯一、宇宙科学政策と研究開発を担う機構だと説明。馬総統によると、現在稼動中の高解像度地球観測衛星、「福爾摩沙衛星二号(福衛二号=フォルモサット2号)」の主な機能は地球表面を撮影することで、毎日同じ軌道を二度周回する特性を持ち、国際的な災害救助組織によって自然災害の規模の確認などに利用される衛星の一つに加えられている。
また、「福爾摩沙衛星三号(福衛三号=フォルモサット3号)は台湾と米国が協力したもの。世界初の、6つの衛星からなる気象・電離層・気候観測衛星群=コンステレーション(COSMIC)で、リアルタイムの大気観測データを全世界に無償で提供している。
馬総統は、科技部(日本の省レベルに相当)は近年、「福衛五号」と「福衛七号」の二つの宇宙計画の推進に積極的に取り組んでおり、「福衛五号」は台湾が完全に自主開発した光学観測衛星だと指摘。同衛星は今年年末には衛星システム全体の準備が整い、来年には米国カリフォルニア州から打ち上げられる予定で、馬総統は、「福衛五号」が台湾の宇宙工学の発展における重要なマイルストーンになると期待した。