2024/12/26

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台北栄総、遺伝子検査でより効果的ながん治療に尽力

2015/11/03
台北栄民総病院は、がんを対象にした遺伝子実験室を開設、遺伝子検査を通じてより効果的な投薬治療に取り組んでいる。(中央社)

台湾北部、台北市の台北栄民総医院(台北栄総)の病理検査部分子病理科主任を務める、国立陽明大学臨床医学研究所の周徳盈所長によると、分子標的薬はがん細胞に照準を定めて攻撃すると同時に、従来の治療法と比較して副作用を抑えられ、正常な細胞を傷つけることも少ないため、がん治療の新たな選択肢となっている。ただ、腫瘍細胞の遺伝子の変異性が高いため、周到な遺伝子検査を行うことではじめて治療効果が精確に予測できる。このため、同医院はバイオメディカル企業と協力し、がんを対象にした遺伝子実験室を開設、「腫瘍多項目遺伝子突然変異検査」を提供している。これにより、まず患者のがん細胞に特有の「バイオマーカー」と呼ばれる遺伝子などの情報を取得、その後適切な薬物を使って精確な治療を進めることで、治療効果を大幅に高めることができたという。また、将来的に薬を換える際に必要な情報を提供し、予後の再発リスクの参考とすることもできるという。

この「腫瘍多項目遺伝子突然変異検査」は自費で約8万台湾元(約29万日本円)の費用がかかる。周所長によれば、46の遺伝子、739の突然変異の位置を一度に検査することができる。将来的には非小細胞肺がん、大腸・直腸がん、全面的な投薬評価、免疫治療投薬評価など患者に合わせた遺伝子検査ができる。また、放射線治療や抗がん剤治療の効果の予測や、腫瘍り患率の測定などのサービスについても研究開発を進めている。

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