行政院大陸委員会(日本の省レベル)の夏立言主任委員(閣僚級)は4日、記者会見で馬英九総統が7日、シンガポールで中国大陸の最高指導者、習近平氏と面会することについて説明した。これは台湾海峡両岸が分割統治されて以来、66年間で初めての両岸首脳の対面であり、両岸関係の発展のあゆみにとって極めて重要な意義を持つと同委員会は表明した。
一方、馬総統は5日、国際記者会見を開き、両岸首脳の対面は2年前から準備を進め、このほど実現に至ったことは、両岸関係が時代とともに歩みを進め、機が熟したものだと言えると語った。また、今回の面会で最も重要な目標は「両岸の平和をより強固なものとし、台湾海峡両岸の現状を維持する」ことであると説明、「対等、尊厳」の原則を堅持しながら手配と計画を進め、いかなる協議(協定)の締結や共同声明の発表もせず、国家の主権と尊厳をしっかり守ると述べた。
馬総統はまた、両岸関係の消極的な側面は互いの敵意の解消であり、積極的な側面は交流の深化と協力の拡大だと指摘。これまで両岸が交わした協定は、さまざまな分野にわたる23項目に及び、平和によって両岸の人々を利する局面を生み出していると述べ、中国大陸の指導者との対面は、両岸首脳の会見常態化への第一歩だと語った。さらに両岸関係の平和的で安定的な発展は、両岸および地域、国際社会の共通利益に合致するものであり、今回の対面では公開透明の原則を堅持し、いかなる協議や声明にも署名することなく状況が複雑になることを避けるが、会談後に双方の合意を経たニュースリリースを発表、立法院(国会)からの要請があれば、立法院で報告するのもやぶさかではないと述べた。