2024/12/27

Taiwan Today

政治

両岸首脳が対面、馬総統が会談後に記者会見

2015/11/09
馬英九総統(左)は7日、中国大陸の最高指導者、習近平氏(右)との台湾海峡両岸首脳の対面を終え、国際記者会見を開いた。会場となったシンガポールのホテルには内外から多くのメディアが集まった。(中央社)

馬英九総統は7日、中国大陸の最高指導者、習近平氏との台湾海峡両岸首脳の対面を終え、国際記者会見を開いた。馬総統のあいさつおよび会見内容の重点は以下のとおり。

習近平氏との会談では、両岸関係について、平和的な発展、平和をより強固なものにすること、現状からさらに活気あるものにすること、といった議題について意見を交換した。習氏は話し合いにおいて、極めて実務的、柔軟、率直であり、我々はこのような精神が両岸関係の処理にも反映されることを期待している。

話し合いにはいくつかの重点がある。まず一つ目は「九二共識(92年コンセンサス)」をより強固なものとし、台湾海峡の平和的な現状を維持することである。つまり両岸は1992年11月、「両岸が『一つの中国』の原則を堅持するが、その概念の認識に相違があるところにつき、口頭声明の手段で各自が解釈を表明できる」との内容で合意している。これがすなわち「九二共識、一中各表(92年コンセンサス、『一つの中国』の解釈を各自が表明する)」であるが、わが方は「二つの中国」、「一中一台(一つの中国、一つの台湾)」、「台湾独立」との内容に触れない。なぜならそれは中華民国憲法が認めるものではないからである。

二つ目は、敵対状態の緩和と争議の平和的な処理である。習氏に対し、台湾の人々には、安全保障と尊厳について特に深い思いがある。習氏と中国大陸がこれを理解し、各分野の争議はすべて平和的な方法で解決し、双方が友好的な心をさらに実感できるようにしたいと述べた。また、台湾の人々が国際非政府組織(NGO)の活動に参加する際には往々にして挫折したり、また我が政府が地域経済統合や国際イベントに参加する際にも妨げを受けることがあるが、この部分について敵意と対立の緩和を求めたいと特に表明した。習氏は、今後こういった問題について個別の状況に応じて適切に処理していきたいと答えた。また、台湾の多くの人々が、よく知られる朱日和基地におけるミサイル配備など、中国大陸の台湾に対する軍事配備に関心を寄せていると指摘した。これに対し習氏はこういった配備は基本的には台湾を対象としたものではないと表明した。

三つ目は両岸交流を拡大し、相互の利益とウィンウィンの局面をさらに強化することである。我々は、台湾と中国の社会制度や経済体制は異なり、深い交流には十分な時間が必要であると強調した。また我々は特に、地域経済統合への参加を希望し、この議題においてはどちらが先に加盟するかの問題は棚上げすべきだと強調した。習氏はこれについても、これは再討議できる問題であり、同時にアジアインフラ投資銀行(AIIB)や、一帯一路(陸海のシルクロードを構築する経済圏構想)など、中国大陸が推進する計画への参加を歓迎すると述べた。

四つ目は両岸ホットラインの設置を通じた、緊急の問題処理についてである。双方はまず、行政院大陸委員会(日本の省レベル)と中国大陸の国務院台湾事務弁公室のトップがホットラインを設置し、緊急または重要な議題について意見を交換することができるとの我々の認識を示すと、習氏はこれは直ちに処理できると表明した。

また、文化や教育における交流では、中国大陸はより多くの専科大学(3年生の高等教育機関)卒業生を台湾で就学させることが可能で、我々もこれを何年も推進しているが、効果は芳しくないと指摘すると、習氏はこの問題について理解する意欲があると答えた。

最後に、両岸はともに協力し、中華(民族)の振興に努めるべきということに触れた。両岸間は歴史によって多くの問題が残されているが、一足飛びに解決できるものではなく、極めて実務的に処理する必要があると指摘、過度にデリケートな問題を軽率に処理するようなことは、困惑を深めるばかりであると述べた。両岸の平和と安定の維持は台湾の主流の民意であり、今後両岸関係の発展についても人心の向背を見極めなければならない。両岸は「尊厳、尊重、誠心、善意」の基礎の上に関係を構築してこそ、「心の距離を縮めることができる」と強調した。

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