少子化が進んでいることを受け、台湾の各大学が近年、積極的に行っている海外からの学生誘致の取り組みが奏功している。教育部(日本の文部科学省に類似)の統計によると、台湾で正式に学位課程に在籍する海外からの留学生の数は、3年で6割増と急成長した。うち、外国籍、華僑(香港・マカオなど)、中国大陸など出身を問わず、商学部や経営学部が最も人気を集めている。
近年では中国大陸からの短期交換留学生の増加により、海外からの留学生総数が激増しているが、教育部によれば、学位課程の留学生総数も伸び続けており、2011年の2万5,107人から2014年には4万78人に増えた。
統計によれば、外国籍、華僑(香港・マカオなど)、中国大陸と出身で大きく区分すると、外国籍が7年間で2.67倍に増加、国別では最も多い順にマレーシア、ベトナム、インドネシアとなっている。華僑は同期に約85%増、出身別は最も多い順にマレーシア、香港、マカオとなっている。中国大陸からの留学生は受け入れ開始から3年間で6.34倍に増加した。
教育部国際及両岸教育司(局)の劉素妙科長は、台湾の学費は香港・マカオのわずか4分の1で、これが香港・マカオからの留学生数が安定している要因の一つだと指摘。台湾北部、台北市の私立世新大学新聞学科を今年卒業した香港出身の関学琛さんは、学位取得と学費の安さというメリットのほか、台湾では生活がしやすくストレスも少ないことが香港からの留学生にとり魅力だと指摘した。