台湾南部、台南市善化区の繁華街で83年前に開館した映画館、「善化戯院」が取り壊されるのを目前に控え、地元の国立台南芸術大学(南芸大)の学生らの呼び掛けで最後の上映会が行われた。このイベント「さよなら善化戯院アートアクション」では、14日夜に往年の名作を上映、地元の1,000人以上が集まり、83歳の映画館が消える前の最後の姿を胸に焼き付けた。
南芸大のサークル「創芸営造公社」の学生らが企画したこのイベントでは、14日夜に映画館前の中山路を通行止めにし、最後となる映画を上映した。
映画館前では施設の歴史を振り返る展示が行われ、古い写真や文書、地元の歴史をよく知る老人、洪景星さんの父親が残した写本、地元の人がこのイベントのために制作した絵画などが展示された。
善化には昔、映画館4カ所、野外映画館3カ所があったが、映画産業が衰退するにつれ、1980年代の後半から徐々に閉館していった。善化戯院は1932年に落成し、1981年まで営業。閉館後は周辺スペースが屋台などに貸し出されていた。