馬英九総統は19日、米大手総合情報サービス会社、ブルームバーグの取材に応じ、台湾海峡両岸関係、台湾の経済発展、台湾海峡両岸サービス貿易協議(協定)、両岸サービス貿易協定の締結に反対する学生運動、および任期中に実施した政策の成果などについて記者からの質問に答えた。
馬総統は、先ごろ行われた自身と中国大陸の指導者、習近平氏との両岸首脳会談を、台湾海峡をつなぐ架け橋のスタート地点とし、今後、双方の首脳がこの架け橋を通じて会見、会談することができるとした上で、双方はこの橋を渡るときの交通ルール、すなわち、「92年合意=コンセンサス」を遵守しなければならないと強調した。馬総統は台湾の賃金について、2008年から現在まで、ずっと成長を続けているが、まだ完全には過去の水準を超えていないと指摘し、これは、台湾の公共施設、公共料金などの物価が比較的安いことが大きな要因で、賃金の成長スピードが遅くなっていると説明した。
馬総統はまた、「徐々に多くの人が理解してきたが、中国大陸は、政治面において台湾にはそれほど友好的ではない。しかし、台湾と中国大陸の経済関係は、既にある程度のレベルまで達した。中国大陸の生産力が上がっていることから、台湾も速やかに生産力の強化に努めなければならず、中国大陸に追いつかれてはいけない」と述べた。
馬総統はさらに、中国大陸は、その面積がとても大きく、多くの分野で過去に存在しなかった制度が完全に社会に浸透していないことから、急速に変化することは不可能だとの見解を述べた。
馬総統は、先ごろの、中国大陸の最高指導者、習近平氏との会談中に、台湾の民主化における発展や成果について話したことを明らかにした。馬総統は、民主化についてチャンスがあれば中国大陸に進言するとし、民主社会が台湾市民にとって大きな価値を持っていることから、もし民主化についてさらなる発展があれば、台湾と中国大陸の距離はさらに縮まるとの期待を示した。