台湾の元慰安婦で11日に死去した「小桃阿嬤(小桃おばあさん)」こと鄭陳桃さんの告別式が20日に行われ、式に出席した馬英九総統が弔辞を述べた。馬総統は報道陣に対し、あらためて日本に謝罪と賠償を求めるとし、中華民国政府はこの問題について手綱を緩めるつもりはないと表明した。
馬総統は、鄭さんは80年前、10代の少女だったときに日本の警察に騙されて埠頭(ふとう)に連行され、南洋(東南アジア)で慰安婦となったが、台湾に戻っても家族に許されないばかりか叔父に家を追い出されたと指摘、これほど長い期間にわたり自身で痛みを背負ってきたにもかかわらず、なされるべき謝罪も賠償も受けることができず最期を迎え、いばらだらけの人生を送ることになってしまったと語った。