文化部(日本の省レベル)に属する国立台湾歴史博物館(台湾南部・台南市)と国立台湾文学館(台南市)、六然居資料室の三者が協力し、日本占領時代に「台湾の人々にとって唯一の言論機関」と呼ばれた日刊紙「台湾新民報」を復刻、5冊にまとめて出版した。
国立台湾歴史博物館によると、「台南新報」、「台湾日報」などの復刻に続き、日本時代の一般の人々を研究するためのルートを新たに掘り下げるため、今回、日刊紙の「台湾新民報」を復刻して出版した。「台湾新民報」はページ数こそ多くないものの、「台湾の人々の代弁者」として、当時の台湾における日本政府側の「御用三紙」(台湾北部・台北の「台湾日日新報」、中部・台中の「台湾新聞」、台南の「台南新報」)に対抗、困難を乗り越えて台湾の人々の生活に密着した路線を切り開いた。また、「日刊」形式で台湾の人々の日常生活と思想、言論をストレートに伝えており、極めて貴重だという。
同博物館は、歴史資料が一つ一つ明らかにされるに連れて我々はより多くの台湾の「声」を見つけられるとして、「台湾新民報」の復刻は日本占領時代における台湾の歴史と文化の研究に大きく寄与すると共に、台湾に関する研究に新たなエネルギーをもたらし、新たな視野を広げてくれるものと期待している。