ジカ(Zika)ウイルスの感染が世界で急速に広がっている。馬英九総統はこれを受けて1日午後に国家安全上層部会議を召集、張善政行政院長(首相)、国家安全会議の高華柱秘書長(事務局長に相当)、衛生福利部(日本の厚労省に類似)の蒋丙煌部長(大臣)をはじめとする関係省庁の首長が参加した。会議では衛生福利部疾病管制署の郭旭崧署長が報告を行なった。
郭署長によると、疾病管制署は今年1月10日に海外で感染して中華民国(台湾)に入国した感染者1人を初めて確認した。ジカウイルス感染者が入国するリスクが高まりつつあることに対応し、衛生福利部は1月22日、ジカウイルスを第二類伝染病に指定したことを発表。妊婦の渡航を見合わせるよう勧告する理由にジカウイルスを加えた国として中華民国は世界で三番目だということ。
疾病管制署は、中南米地域とカリブ海地域を対象とした伝染病に関する渡航勧告を第二レベル(「警示」Alert)に、東南アジアの6カ国を第1レベル(「注意」Watch)に引き上げている。同時にプレスリリースを通じてジカウイルスの流行地区に向かう国民は同ウイルスを媒介する蚊を防ぐ措置をしっかり準備するよう注意を促すと共に、これらの地区に向かう人たちが必要とするサポートを提供するとしている。
馬英九総統は、WHO(世界保健機関)が今回のジカウイルスの感染について、「国際レベルの公衆衛生上の緊急事態宣言」を行なった場合はただちに衛生福利部と疾病管制署が計画に基づき、対応メカニズムを始動するよう要請すると述べた。これにより、医療整備、海外での感染症対策、水際でのウイルス侵入防止、ウイルス媒介者の抑えこみの四大戦略の徹底を図り、国民の健康を共同で守る。馬総統は、経費の面で必要があった場合は、行政院に全力でサポートするよう要請すると述べた。