台湾の写真家、楊順発さん、洪政任さん、姚瑞中さん、陳伯義さんがこのほど、フランスのパリにあるヨーロッパ写真美術館で合同写真展を開催し、台湾の廃墟と記憶を異なる方式で表現している。ヨーロッパ写真美術館は欧州屈指の美術館で、台湾の作品は初の展示。同美術館ではこれらの作品を収蔵する意向を示しているという。
この写真展は「傾圮的明日-台湾当代撮影4人展(崩れ落ちる明日-台湾現代写真4人展)」と銘打たれ、台湾各地の廃墟の風景がテーマ。開催期間は3日から3月27日まで。台湾南部・高雄市出身の楊順発さんと洪政任さんはそれぞれ、「家園游移状態(揺れる我が家)」と「憂鬱場域(憂鬱な空間)」シリーズを出展。これらの作品では1980年代、1990年代からの紅毛港(高雄市小港区にあった漁村)の廃止と漁村移設の歴史を記録している。また、陳伯義さんは「莫拉克(モーラコット=2009年8月に台湾に大きな被害をもたらした台風)」シリーズ、姚瑞中さんは「廃墟迷走」シリーズを出品。
キュレーターの1人でフランス国立科学研究センター(CNRS)の博士候補となっている蘇盈龍氏は、ヨーロッパ写真美術館は世界で最も多くの現代写真作品を収蔵しており、ここで展示されることには大きなPR効果があると指摘、ヨーロッパの人たちに台湾の写真レベルが世界一流の写真家たちに決して劣らないことを知らしめることができると話した。