2024/12/26

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経済

台湾のショートフィルム『審判』、カンヌ映画祭に取り上げられる

2016/03/11
台湾のショートフィルム『審判(THE DAY TO CHOOSE)』がカンヌ国際映画祭に取り上げられた。(THE DAY TO CHOOSE審判ファンページより、中央社)

東呉大学(台湾北部・台北市)の学生が撮影したショートフィルム、『審判(THE DAY TO CHOOSE)』は死刑廃止問題を掘り下げ、ストーリーを通じて観客を深く考えさせる作品。このほどフランスで行われる世界的な映画祭、カンヌ国際映画祭で取り上げられた他、米国の「世界民族電影節(Universe Multicultural Film Festival)」でもノミネート作品に選ばれた。

東呉大学華語教学中心(中国語トレーニングセンター)の鄭匡宇主任が製作、同大学ドイツ語学科の学生、李永為さんが監督した『審判』は第69回カンヌ国際映画祭の「ショートフィルムコーナー」に選ばれた。また、第13回「Universe Multicultural Film Festival」にも台湾の作品として唯一ノミネートされている。

『審判』は主に、死刑廃止の信念を堅く守る誠実な弁護士と、それを強く支持する妻を描いている。ある日、二人の男性がこの夫婦の家にやってきて、弁護士の目の前で妻を殺害する。二人は弁護士に対し、「①目の前に出された拳銃で二人を撃ち殺す、②警察に通報する。二人は間違いなく死刑判決を受ける、③二人を逃がし、何も起こらなかったことにする」、という三つの選択肢を提示する。弁護士はどれを選ぶことになるのか。

現在、ドイツ語学科四年生の李永為さんは同作品で監督と脚本を担当。李さんは、「死刑廃止」は耳目を引く題材に過ぎず、この政治化された議題の底には哲学の根幹が存在すると指摘、全ての問題はいずれも哲学的な問題なのではと問いかける。このため、映画では絶対的な結末を設けず、一人ひとりの観客がそれぞれの理解を得られるようにしているという。

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