中華民国の次期総統に選ばれた蔡英文・民進党主席は15日、民進党のシンクタンクで責任者を務める林全・元財政部長(財務相)を5月20日の新政権発足後の行政院長(首相に相当)に任命すると発表した。林元財政部長は、「新内閣には一刻の猶予もなく、すぐにでも軌道に乗るよう努力しなければならない」と述べた。
蔡主席と林氏は同日午前、記者会見を行った。林氏によると、今後何をすべきかを冷静に考えている。総統選挙後に蔡主席から、総統就任後に、どのようにして関連政策を着実に実行していけるかについて相談されたという。そのときに林氏は、すぐにでも適切な閣僚の人選を決め、まず行政院長を決めてから閣僚を探すと助言した。すると、蔡主席は林氏に「それならば、行政院長はあなただ」と言ったという経緯があった。
林氏は、蔡主席が特にコミュニケーションスキルを重要視しており、新内閣は政策の説明、および国民とのコミュニケーションにおいて、いずれも各界に満足してもらえるよう期待していると説明した。また、課題は非常に多く、すべてを解決することができるとは言えないとした。その上で、公務には基本的な原則があり、成果が出ることばかりを期待せず、謙虚に各界からの批評や助言に耳を傾け、全力で臨みたいと意気込みを述べた。このような信念をもって行政院長のポストを引き受けた林氏の第一の仕事は、組閣だ。それについては、林全氏は適切な時期に内閣の顔ぶれを発表すると述べた。