外交部(日本の外務省に相当)の林永楽部長(大臣)は4月29日午前、日本の対台湾窓口機関、公益財団法人交流協会台北事務所の沼田幹夫代表(駐中華民国大使に相当)を外交部に呼び、沖ノ鳥礁(日本名:沖ノ鳥島)付近の公海で中華民国(台湾)の漁船「東聖吉16号」が日本の海上保安庁に拿捕(だほ)された事件につき、正式に抗議するとともに中華民国政府の揺るぎない立場を重ねて強調した。
林部長は沼田代表に対し、「『国連海洋法条約(UNCLOS)』第121条が定める島嶼の定義に基づけば、『沖ノ鳥礁』は『岩礁』であって『島』ではないこと、9平方メートルに満たない空間は、『人間の居住又は独自の経済的生活を維持することができる』という島の定義に合致しておらず、よって日本政府はそれを基点とする200海里の排他的経済水域(EEZ)を主張できない」と説明。日本政府が「沖ノ鳥礁」を独自の定義で「島」とみなし、違法に権利を拡大して主張することは、「国連海洋法条約」第121条の規定に違反しており、「中華民国政府は承認することができない」と述べた。
林部長はさらに、日本政府が公海において中華民国(台湾)の漁船を拿捕した上、担保金を強要したことは、中華民国の漁業者の公海における操業の自由を侵すものだと強調した。また、中華民国政府は公海における操業の自由を断固守り、今後も関連海域での漁船保護を強化し、漁業者のしかるべき権益を守る決意だと述べた。
日本側もこれに対して自国の立場を伝えた。林部長は、「中華民国と日本は自由、民主、法治といった普遍価値を共有し、各方面における交流や協力関係は非常に緊密だ」とした上で、中華民国と日本がさらに意思疎通を強化し、このような偶発事件の影響を受けることなく、既存の協力関係を土台とし、発展を継続できるよう期待すると述べた。